ユベラについて

当院ではユベラをオンライン診療で処方しております。
予約不要で24時間受け付けております。
※保険適用外となります。1ヶ月分(90錠)1,400円。税込、診察料や処方料込、送料別。

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目次

1 ユベラとは

ユベラとは

ユベラの主成分はトコフェロール酢酸エステルという物質です。トコフェロール酢酸エステルはビタミンEの誘導体で、トコフェロール酢酸エステル内の、αトコフェロールが抗酸化活性を持ちます。不足したマウスが不妊や流産となったため、tocos-phero-ol(子供を産む力を与える水酸基)と呼ばれました。
ビタミンEにはα、β、γ、δトコフェロールと、α、β、γ、δトコトリエノールの8種類が含まれます。ユベラに含まれるαトコフェロールは、その中で最も強い抗酸化作用を持ちます。
老化とともに失われるため、1日当たりの必要量は18〜49歳で5〜6mg、50〜74歳で5.5〜7mg、75歳で6.5mgとされており、摂取推奨量は1日あたり成人で15mgとされています。
(厚生労働省 日本人の食事摂取基準2020年度版)

油分に溶け込むため、食後の内服で吸収が良くなります。すなわち、摂取されたビタミンEは油分と同様に、胆汁酸などによりミセルとなり、小腸上皮細胞に吸収されます。小腸上皮細胞内でタンパク質と結合し、カイロミクロンというリポタンパク質になり、リンパ管を通り血液中に移行し、全身に運ばれます。ビタミンEを取り込んだカイロミクロンは、リポプロテインリパーゼによりカイロミクロンレムナントとなり、肝臓に取り込まれます。ビタミンEは肝細胞内で輸送され、VLDL(超低密度リポタンパク質)に取り込まれ、再度血液中に移行し、各組織に分布します。

ユベラとは

用法・用量
1回1〜2錠を1日2回〜3回経口投与する
副作用
5%未満 便秘、胃部不快感
0.1%未満 下痢、発疹

2 ビタミンEの役割

2-1 過酸化脂質の増加防止

我々の体には、日々の酸化によって、老化と呼ばれる一連の変化、シミ、シワ、血管の硬化、癌などが起こります。
細胞単位で見ると、細胞膜に過酸化脂質が増える事により、細胞の崩壊、酵素反応の撹乱、免疫応答の異常など、細胞の種類ごとに様々な生体機能の障害が現れます。
ビタミンEは脂溶性(脂に溶ける)ビタミンで、主に細胞膜の脂質部分や、脂肪組織に分布します。そこで抗酸化物質として働き、過酸化脂質の生成を抑えます。
水溶性の抗酸化物質であるビタミンCとは、体内での分布が異なります。

ビタミンCについてはこちら

脂質は様々な要因で発生した活性酸素により酸化され、過酸化脂質となります。過酸化脂質生成反応は、以下のように連鎖します。

  1. 活性酸素の一種、ヒドロキシルラジカルによって、脂質(LH)から水素ラジカルが引き抜かれると、脂質ラジカル(L・)となります。
  2. 脂質ラジカル(L・)は酸素と反応し、脂質ペルオキシルラジカル(LOO・)となります。
  3. 脂質ペルオキシルラジカル(LOO・)は、他の脂質(LH)と反応して水素を奪い、脂質ヒドロペルオキシド(LOOH)となります。脂質ヒドロペルオキシドは過酸化脂質と呼ばれます。
  4. この時、水素を引き抜かれた脂質は脂質ラジカル(L・)となります。脂質ラジカル(L・)は②の反応を起こすため、②〜④はループし過酸化脂質生成反応が連鎖します。

①の反応で引き抜かれやすい水素は、二重結合にはさまれたメチレン水素(二重アリル水素)であり、これは多価不飽和脂肪酸に存在します。

ビタミンEには、上記の過酸化脂質生成反応を停止させる働きがあります。

ビタミンEは、脂質ペルオキシルラジカル(LOO・)に電子と水素を供給し、過酸化脂質(LOOH)にして、自らはビタミンEラジカル(VE・)となります。つまり脂質の身代わりとなり酸化されます。このビタミンEラジカルは、反応性が低く、連鎖反応は起きにくくなります。
ビタミンEラジカル(VE・)は、還元型ビタミンCから電子を供給され、ビタミンEに戻り再利用されます。ビタミンEラジカル(VE・)は、さらにもう一つの脂質ペルオキシルラジカル(LOO・)と反応して、安定化すると考えられています。

ビタミンEの役割

2-2 血流改善作用

血液中のLDL(低比重リポタンパク質)に含まれるリン脂質が過酸化脂質に変化すると、血管閉塞の原因となります。(4-3参照)
ビタミンEはリン脂質の酸化を防ぐ事により、血管閉塞を防ぎます。
動脈の血管閉塞が起こると、動脈硬化・しもやけが起こりやすくなり、毛細血管閉塞では糖尿病性網膜症が起こります。
血小板凝集が起こると、血管内には血栓と呼ばれる血の塊ができ、血管が閉塞します。

3 酸化を引き起こす活性酸素

酸化とは化学的には原子やそれを含む物質が、電子を失う変化を言います。
電子を奪う力を持つ物質が近くにあると、酸化は起こりやすくなります。
反応としては「電子を他の物質から奪うだけ」ですが、「電子を失っただけ」の酵素やイオンが、他の物質を変化させたり、そこから新たな反応を起こすことで、老化現象のような目に見える変化を起こすまでに至るのです。
我々の体内では、電子を奪う力が強い物質として、活性酸素やフリーラジカルがあります。

3-1 活性酸素の種類

活性酸素にはスーパーオキシド、ヒドロキシルラジカル、過酸化水素、一重項酸素があります。

スーパーオキシドやヒドロキシルラジカルは、フリーラジカルと呼ばれる不対電子(ペアのいない電子)を持つ分子です。
フリーラジカル中の不対電子が安定化しようと、周囲から電子を強い力で引き寄せ酸化させます。
平均寿命は環境によりますが、スーパーオキシドが5秒、ヒドロキシルラジカルが0.0002秒と言われています。
スーパーオキシドは酸素分子に電子が一つ加わっただけなので、大量に発生しますが、反応性が低いです。核酸と反応します。
ヒドロキシルラジカルは、反応性が高く、タンパク質、脂質、糖質、核酸を酸化します。

過酸化水素は、自身は強い酸化力を持ちません。
活性酸素種の中でも細胞膜を通過しやすく、血漿中で発生した過酸化水素が、細胞膜を通過し、赤血球内の鉄(Ⅱ)イオンFe2+と反応することで、ヒドロキシルラジカルを生じます。(フェントン反応:H2O2+Fe2+→・OH+OH-+Fe3+)
また紫外線を当てるとヒドロキシルラジカルが発生します。(H2O2→2・OH)

一重項酸素は、不対電子を持たず、フリーラジカルではありません。
その代わり電子軌道が空になっており、安定化しようと、周囲から電子を強い力で引き寄せ酸化させます。
環境によりますが平均寿命は0.000002秒と言われています。

これら活性酸素は、我々の体内では常に発生しています。
ちなみに通常の酸素は三重項酸素で、不対電子を持ちますが、不対電子による常磁性のため、反磁性(不対電子を持たない)の有機化合物とは容易に反応しません。

活性酸素の種類

3-2 活性酸素の発生原因

  • エネルギー産生の副産物
    人体の活動には、エネルギーの元となるアデノシン三リン酸(ATP)が必須です。ATPはミトコンドリア内で作られます。呼吸で吸収した酸素は、ミトコンドリア内でのエネルギー(ATP)合成の過程で、2%程が活性酸素に変化すると考えられています。
  • 紫外線(4-1参照)
  • 細菌やウイルス感染、タバコなどの刺激物
    好中球やマクロファージは、微生物や刺激物を細胞内に取り込みスーパーオキシドを用いて殺菌します。
    スーパーオキシドは細胞内にあるNADPHオキシダーゼなどにより産生されます。
    殺菌に使われたスーパーオキシドは、スーパーオキシドジスムターゼにより過酸化水素と酸素に変わります。
    過酸化水素は細胞内の鉄と反応することで、ヒドロキシルラジカルを発生します(フェントン反応)

活性酸素の発生原因

活性酸素の消去

生体内にはスーパーオキシドを過酸化水素と酸素に変えるスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)があります。
過酸化水素は、カタラーゼやグルタチオンペルオキシダーゼという酵素によって、水と酸素に分解されます。
ところが一重項酸素やヒドロキシルラジカルは、体内で合成される酵素では十分に消去できないため、ビタミンCやEといった抗酸化物質の摂取が必要となります。
環境によりますが、ヒドロキシルラジカルは平均0.0002秒、一重項酸素は平均0.000002秒で周囲の物質を酸化するので、予め反応を止めるのは困難です。
ビタミンC、ビタミンEは、直接活性酸素を還元するというよりは、酸化による連鎖反応を止める事で、活性酸素の影響を減らしています。

4 酸化で起きる体の変化

4-1 シワ、たるみ

シワ、たるみはコラーゲンの分解で起こりますが、太陽光はその原因の一つです。
UVA(紫外線の長波領域320nm-400nm)は真皮に到達します。
真皮に存在する光増感物質を介して、酸素分子に光エネルギーが移動し、活性酸素である一重項酸素を発生します。
また電子の移動によって、スーパーオキシドも発生します。
これら活性酸素により真皮内細胞膜脂質の酸化が起こり、MMP-2、MMP-9が発現します。
MMPによりIV型、VII型コラーゲンが分解され、シワ、たるみになると考えられています。

4-2 シミ、肝斑などの色素沈着

シミや肝斑は、皮膚に多くのメラニンが蓄積する事でできます。
メラニンが溜まる理由は主に2つあります。

一つ目は、ターンオーバーがうまくいかずメラニンが排出されず、そのまま沈着してしまう事です。
メラニンは表皮の一番下、基底層のメラノサイトで作られ、約6週間かけて皮膚表面に到達し、はがれていきます。
ターンオーバーが乱れる原因として、紫外線やストレス、乾燥などがあります。

二つ目は、メラニンが過剰に産生されてしまう事です。
メラニンは本来、紫外線のダメージから皮膚や深部組織を守るために作られるものです。
メラニンはチロシンというアミノ酸から作られます。
チロシンはチロシナーゼという酵素により酸化されメラニンとなります(2-2参照)チロシナーゼは紫外線や女性ホルモンなどによって活性化されます。
さらに紫外線や種々の炎症により、活性酸素が作られ酸化反応が起こると、メラニンが過剰に作られます。

皮脂に存在するスクワレン、細胞外タンパクの一部、ニキビ菌の産生するコプロポルフィリンなどが紫外線と反応し、活性酸素である一重項酸素を発生します。
柑橘系に含まれるソラレンも光増感物質として働きます。
ソラレンはUVA照射により一重項酸素を発生し、酸化を引き起こします。
ゆえに柑橘類接種後の日光曝露は、皮膚の酸化を促進し、炎症やシワ、シミの原因になると考えられています。

4-3 動脈硬化

悪玉コレステロールと呼ばれるLDL(低比重リポタンパク)には、リン脂質が多く含まれています。
リン脂質に含まれる不飽和脂肪酸は、酸化されやすいです。
酸化LDLはマクロファージに貪食されます。酸化LDLを取り込んだマクロファージは泡沫細胞と呼ばれます。
アクチンという接着因子が活性酸素によって重合を起こし、泡沫細胞が血管内膜に沈着します。
これの繰り返しで動脈硬化が起こります。

過酸化脂質は、近くの金属イオンと反応し、アルコキシルラジカルに変換され、さらに4-オキソ-2-ノネナールと4-ヒドロキシ-2-ノネナールに分解されます。
この2つは、DNAを構成する核酸塩基と反応するため、遺伝子毒性を持ちます。
これら毒性物質が、血管内皮細胞や平滑筋細胞を傷害し、そこでも活性酸素が発生します。
血管内皮細胞の傷害部位に侵入したマクロファージや血小板からは、PDGF(platelet-derived growth factor)などが分泌され、血管中膜平滑筋細胞が血管内皮に移動しつつ増殖します。
そして酸化LDLを取り込み泡沫化します。
こうして血管内膜が肥厚し、動脈硬化を起こします。

また、傷害を受けた血管内皮細胞は、一酸化窒素産生を抑制され、結果血小板凝集が亢進します。
血小板が凝集すると、血栓と呼ばれる血液の塊ができ、血流を妨害します。
動脈硬化と血栓生成により、血管が閉塞しやすくなります。

4-4 神経変性疾患

パーキンソン病やアルツハイマー病も、酸化による細胞死が関与していると考えられています。

細胞膜に存在するリン脂質の一つに、アラキドン酸があります。
アラキドン酸はプロスタグランジンという免疫反応に関わる物質を作るために必要なリン脂質です。
加齢とともに減少しますし、高度不飽和脂肪酸のためラジカルによる酸化を受けやすいです。
細胞膜のリン脂質が酸化され、過酸化脂質に変わっていくと、フェロトーシスと呼ばれる細胞死が起こります。
フェロトーシス細胞から、周囲の細胞へ過酸化脂質生成連鎖反応が伝播し、フェロトーシスが連鎖していきます。
この細胞死により、神経変性疾患や、虚血性疾患が起こるとされています。

5 長期連用について

トコフェロールの長期連用に関する副作用は、文献上報告はありません。トコフェロールの耐用量1日800mgを越える大量服用に関しては、骨粗鬆症などのリスクが考えられています。
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年度版)各論 ビタミン(脂溶性ビタミン)

6 市販薬との安全性の比較

6-1 システム面の安全性

紅麹による死亡事件を受けて、健康食品の使用に関して不安を持たれた方もいらっしゃると思います。健康食品と異なり、医薬品に分類される製品は、使用方法・作用・毒性・製造場所・工程・完成品における濃度等が、臨床試験を通過したものと同等であるか、厚労省の厳格な審査を通過したものである必要があります。また、副作用が出た場合でも、医療機関や行政に共有されますので、対処が明確です。

6-2 成分の安全性

市販薬には複数の成分を混合し「効きそうな感じ」を出しているものが多く見受けられます。また、末尾にアルファベットを付けて「ますます効きそうな感じ」を出しているものも多く見受けられます。主にこれら二つの要因により、成分がわかりにくく、複数のサプリを使用した場合に過剰摂取が起こったり、本当に組み合わせたい成分の一部が欠落していたりします。もし市販薬の飲み合わせで、安全かつ期待する効果を得たい場合は、各成分ごとに足し算をするという使い方になってしまうでしょう。

7 費用

保険適用疾患で、ユベラ1ヶ月分(90錠)処方にかかる費用は
・病院にて初診料+処方せん料
・薬局にて調剤技術料+薬学管理料+薬剤料
3割負担で1,450円ほどかかります。

美容目的の場合は自由診療ですので、医療機関により費用はバラバラです。
医療機関によっては、診察料や薬局での費用をゼロとして、保険を使うよりも安くなる所もあります。

当院ではチャット診療を行っております。予約は不要で24時間受け付けております。 ※保険適応外となります

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クリニック概要

皮膚科・小児皮膚科・小児科・内科・アレルギー科

綾瀬皮フ科クリニック

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